その2  基本を守って撮ってみる
 ビデオ作品を楽しく作って、見せたい人に「上手い!」と言われたら最高ですね。そのためには、とにかく「まずは撮ってみる」ことです。しかし、ただ撮るだけでなく、きちんとポイントを押さえると撮れた画は整理され、見違える映像になります。初心者にありがちなカメラが揺れて目が廻り、カメラを左右に振るのが特徴です。このようなパーニングは「壁塗りパン」と呼ばれ、見る人にとって疲れます。また、やたらに「ズーミング」と言ってズームアップやズームバックをします。これは見ている人には苦痛ですよね。そこでその1で話した3つの撮影のルールを具体的に話しをします。
 

撮影時にパンやズームをする定番のカメラワークであるが、             意味のないパンやズームは使わないこと                                      
 
  見たいものを大きく写す例として、行楽地で親子連れがお弁当を食べている状況を
想定します。慣れていない人は同じポジションでずっと撮っていることがほとんどです。おそらく何かするにしても同じ場所でズームかパンを使うでしょう。でも、例2のように美味しそうにごちそうを食べている子供の顔やそれを見ている親のアップ、ごちそうのアップをそれぞれきちんと撮影します。
同じカメラ位置からズームを使って撮影した例1とワンショットづつ「分かりやすさ」を意識したアップを交えた例2のように美味しそうにごちそうを食べている子供の顔やそれを見ている親のアップ、ごちそうのアップをそれぞれきちんと撮影します。同じカメラ位置からズームを使って撮影した例1とワンショットづつ「分かりやすさ」を意識したアップを交えた例2が見やすい映像になります。 
三脚を使って安定した画面
●最適な時間         
●はっきり見せる    
    
この3つを守れば見違える映像になります
 
 写真の世界でも言えることですが、専門的には風景・自然・人物・女性・建築・料理・海中・鉄道などさまざまのジャンルがあります。いろいろな被写体を撮り進んでいくうちにやがて自分の撮りたい世界が見えてくるでしょう。ホームビデオを卒業した人に断然多いのは旅の記録です。それも国内はおろか海外旅行を記録した作品、お祭りや行事、動物の生態を撮影した感動した作品、そして自分史の作品が登場します。さらには社会的な意義を持ったドキュメンタリー作品やドラマ作品に発展することもあります。このようにビデオ作品においてもさまざまなジャンルがありますが、結局、自分が何を挑みたいのか撮り続けていくうちにおのずと判ってくると思います。まずは身近な地域の行事を撮影することをお勧めします。例えば地域の活動を撮ってあげると自分の腕が上がると同時に地域の役に立ちます。やがて、消えゆくであろう建物・風景を撮影しておくとが大変意義あることです。お祭りや伝統芸能の獅子舞。私が取材した「でくまわし」は後継者不足で悩んでおられました。獅子舞も若者不足で存続が危ぶまれているのです。そして、できあがった作品を皆さんに見てもらったら喜んでもらえますし、これからの制作意欲をかきたて、次の作品に挑むきっかけになることと思います。        
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