小松市のお旅祭り13日開幕し、まつりの華である曳山子供歌舞伎が京町と大文字町で始まった。両町の子供役者は人情味あふれる演題を見事に演じ切り、詰めかけた観衆の心を打った。同市は東日本大震災で小松に避難している人に子供歌舞伎の鑑賞を呼びかけており、子供役者は被災者に元気付けようと精一杯の演技を披露した。また、今年は東日本大震災を受けてイベント的色彩が強い8基曳き揃いが初めて分散された。同市内の2箇所で3基と五基に分かれて集まった。

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  大文字町は「傾城阿波の鳴門 どんどろ大師の場(けいせいあわのなると」を披露、生き別れた母と娘が偶然出会うが、盗賊に身を落としていた母は名乗れずに再び別れ、その後、一生の別れになると感じた母が娘を追う物語で、子供役者は親子愛を情感たっぷりに表現した。上演のあらすじ



開演前の子供役者










東西、東西・・威勢のいい口上で始まる






浄瑠璃太夫と三味線弦師












 京町は「男の花道」を上演した。江戸一番の花形役者は、恩人である医者の命を助けるために上演中の舞台を途中で降りることについて涙ながらに観客に許しを請い、医者の元に急行する筋書きで、観衆は恩人の窮地を救えるか息をのんで見守った。 上演のあらすじ












茶目っ気な漢方医 道庵































 「歌舞伎のまち小松」を発信する第13回全国子供歌舞伎フェステバルin小松」は14日、2日間の日程で同市の県こまつ芸術劇場うららで幕を開けた。東日本大震災の被災地の早期復興を願い、上演する3団体の子供歌舞伎役者が迫真の演技を披露した。会場には被災地から小松市に避難した人、約100人が招待され、子供役者の熱演に見入った。地元小松の子供役者は「勧進帳」を情感豊かに演じ切り伝統芸能を継承する気概を示した。例年、予約と同時に満席で観劇できないのが残念である。
 

北国新聞提供
 「歌舞伎十八番の内勧進帳」では弁慶が富樫を欺くために主君義経をつえで打ち据える場面などが観客の心を引きつけた。長唄、囃子の25人も練習の成果を示し舞台を盛り上げた。弁慶が「飛び六方」で花道を去るクライマックスの場面では「いいぞっ弁慶」の声援が送られた。また、上演中、弁慶役の子供役者のはかまがずり落ちそうになるハプニングがあり、弁慶役者が囃子方に合図を送り、すぐに舞台袖に下がった。スタッフ一丸の早着替えで舞台に復帰し、機転を利かして難が逃れた。すると客席から大きな拍手が送られ、とっさに白紙の「勧進帳」を読み上げた弁慶にふさわしい機知ぶりを発揮したそうである。
   
 北海道函館子ども歌舞伎は「釣女」を明るく軽快に演じ会場を笑いに包み込んだ。  名古屋市の名古屋こども歌舞伎は「弁天娘女男白浪浜松屋見世先の場」を披露した。


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