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西町の曳山
現在、8基の曳山が毎年2基づつ交代で
当番町となり、曳山歌舞伎を上演している。
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西町の子供役者は曳山子供歌舞伎で小松ゆかりの白拍子・仏御前や平清盛、源氏の残党が登場する演目を披露して「源平ロマンのまち小松」を発信した。台本を執筆した石田寛人金沢学院大名誉学長はNHK大河ドラマ「平清盛」に合わせて台本を書き下ろし、移り変わる愛のはかなさと戦乱の世を表現したという。清盛の息子の重盛と源氏の残党が斬り合う寸前になる場面は「緊張感が伝わった」と稽古を重ねた子供役者をたたえた。
仏が舞台で琴の生演奏、清盛の寵愛を集めた白拍子の妓王が本物の墨で襖に和歌を書き連ねる場面など観衆を沸かせた。
市中心部の少子高齢化などのために、曳山歌舞伎の継続が困難になっている現状について、石田氏は「曳山を持つ8町だけでなく、他市の住民も含めて広域で支援することが必要であり、日頃から伝統芸能に親しむ意識を高めてほしい」と指摘した。(北國新聞掲載)
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あらすじ
平治の乱で源義朝を倒し、天下を取った平清盛は、白拍子妓王に支えられ武士の世の中をつくろうと努力してきました。そんな清盛の館に、加賀小松出身の白拍子仏が舞を見てほしいと訪れてきました。清盛の家来、瀬尾太郎は即座にはねつけますが、妓王は懸命にとりなおして、仏は御目見得が許されます。ところが、仏の舞を見た清盛はすっかり魅了され、自分の舞の係になれと言い出します。仏はそれを辞退すると、それが妓王への遠慮と誤解した清盛は、突然妓王に出ていけと命令します。一同は驚きますが、清盛の発言は取り消せません。妓王は障子に自分の思いを筆書きにして館を出て行きます。これは平家衰亡の一歩と瀬尾太郎が嘆きます。
兵太夫という偽名で平家に仕える源氏の残党、染谷五郎金王丸は、ひそかに清盛殺害を狙いながら妓王に阻まれますが、さらに清盛の長男重盛に毒膳を供します。しかし、重盛にはすべて承知のこと、敵であった金王丸に平治の乱で助けられたこともあり、それと知りながら泳がせてきましたが、もう我慢できないと殺そうとします。そこで表れたのが妓王と仏の心情を汲んで、頭髪を剃り落とした清盛でした。金王丸を釈放し、源平堂々雌雄を決して新しい世の中を開こうと宣言します。一同は、戦う運命にある源氏と平家の過去と未来を思い合掌するのでした。 |