瀬戸内の海と夜空の宮島水中花火大会が2012年8月11日、午後7時50分、大鳥居の沖合約400メートルの船から打ち上げを開始、尺玉など海へ投げ入る水中花火は約200発、その他を含めて約5000発が海上で開花し、扇状に光の帯を描き、朱色の大鳥居がシルエットのごとく浮かび上がる様は圧巻。世界遺産の宮島ならではの歴史建造物と花火の競演を楽しむことができた。その最高のロケーションから日本の花火百選では、写真愛好家からトップにランクされる花火大会である。宮島の厳島神社はNHK大河ドラマの「平清盛」で注目され、この1月〜7月で214万人が訪れている(協会調べ)。
 花火大会は例年8月14日に行われていたが、お盆の帰省と花火見物の車で渋滞となることから、今年からお盆前の11日に行われるようになった。今日は朝方から豪雨、開催が危ぶまれたが、ようやく昼頃から陽が差し無事行われた。最近の経済状況ではスポンサーの確保も困難なのか、花火の上がらない待ち時間が長い。それでも今年も1時間のプログラムを見せてくれたと地元の人は言っていた。
 私たちは、宮島に到着したのは午後4時、まず、大鳥居と花火が一画面に入れて撮影するポジションの最も良い場所さがし、カメラの三脚を立てて確保する。開始前、三脚にカメラをセットしたがヘットライトを持参したものの真っ暗な世界では老眼と液晶文字に苦戦する。いよいよ花火の打ち上げ開始時間だが、アナウンスお姉さんの話がやたらと長ーい。ようやく「ドンドン」と・・・。ダイナミックな赤系の花火が上がると水面が真っ赤に染まり、大鳥居のシルエットが引き立つ。待った時間が長かったが、花火はあっという間に1時間が過ぎて終了。そして、最高のロケーションで撮影できて満足であった。帰りは大変な混雑。島内の5万人の見物人がフェリー乗り場に殺到、これからがホテルにたどり着くまで長ーい戦いが始まる。呉にあるホテルに着いたのは11時過ぎていた。  
 
                        
「宮島水中花火大会」の看板がフェリー乗り場前に立っている

 
                        
ここが花火と大鳥居の一画面に入る一番ロケーションの良い場所
だが満潮に気をつけたいところ。すでにビニールシートやカメラ
三脚で確保されていたが合間に入れてもらい確保する (午後4時)

 
                        
厳島神社の大鳥居の姿が花火の光で浮かび上がり幻想的である

 

スターマインの花火で大鳥居のシルエットが象徴的である

 

 尺玉とスターマインの競演(バルブ利用の多重露光)



鳥居の背後に花火が上がると水面が染ってきれいである
   

 
鳥居を中心に2箇所から花火を上げるのも宮島花火の特徴

             

鳥居とスターマインの競演

 

次から次へと花火が上がると「露出オーパ」になりやすい



尺玉とスターマインが連発で上がるのが特徴



尺玉とスターマインの競演と鳥居のシルエット



   
夜空の爆発後一斉に小花が開く千輪菊がきれい

 

尺玉が一部欠けたが鳥居が微かに赤く染まっている

 


  花火撮影で用意する基本的な機材は、まず「バルブ撮影」できるカメラポディが必要。それは自分のイメージ通りに花火を撮影するためにはバルブ撮影が必修になるからです。もし、バルブ撮影できないカメラでも、シャッターを最低10秒程度に開けれるカメラなら花火撮影は可能。カメラが一眼レフカメラでなくてもコンパクトデジカメでもシーンモードに「花火」があれば大丈夫です。それと長秒撮影になるため、しっかりした三脚とケーブルレリーズが必修
 

 手に持っているのがリモコンレリーズ
 これを使って「バルブ撮影」が可能
 
  
  がっちりした三脚
 
 
 レリーズでシャッターを開けたままロックし
 レンズの前に「黒のうちわ」か黒い紙を当てて
 「多重露光」撮影ができる
 

シーンにバルブ(B)設定があるカメラ
 キャノンカメラの液晶パネル



 ○露光時間は現場で調整
まずおおよそ露出の基準は
ISO感度100で絞りF11〜16ぐらいを目安にし、要するに絞り値は花火の距離や明るさによります。露光時間は4〜10秒を基準にします。光は遠く離れるほど暗くなってしまいますので、撮影場所が遠いほど絞りを開けるか感度を上げるか調整します。花火が上がらないと暗い写真(露出アンダー)になり、逆に多く打ち上げると明る過ぎる(露出オーバ)になっていまいます。スターマインのような連発は露出オーバになりやすいので注意が必要です。そのためシャッターをバルブに設定して、撮影者が任意でシャッターを開け閉めして調整する撮影方法が最も適しているのです。

シャツターを開け閉めするタイミング
花火を打ち上げる前に開け、花火が画面に映っている思ったところで閉じるという感覚的な撮影になります。露出の決め手はシャッターを開けている時間よりも写っている花火の数になります。欲張って入れ過ぎると、花火が画面上で々場所に幾つも重なり露出オーパになっていまいます。

ピント合わせ
花火は基本的に無限大で撮影します。とはいえ暗闇ではAFが使えません。打ち上げる花火でピント合わせは可能です。MFに切り替えて固定しておくといいと思います。
バルブでの長時間露光なので直接シャッターボタンを押すと振動でぶれてしまいますので、シャツターの開け閉めをカメラに直接触れないで行うレリーズが必修なのです。また、三脚使用する撮影はカメラやレンズの手ぶれ補正機能はオフにしておきます。

遮光紙を使った多重露光テクニック
 バブル撮影は自分でシャッターをタイミングをみながら開け閉めする方法ですが、これを若干進化させて黒い紙か黒うちわを使い、写したい花火だけを画面に入れる方法です。手動を行う「多重露光」ともいえる撮影テクニックになります。その方法は、レンズが隠れる黒い紙の遮光紙を用意し、撮影はバルブでレリーズをロックし、シャッターを開けっ放しします。露光中に花火が上がらないときや写したくない花火が上っているときはレンズの前に遮光紙を当ててレンズを覆います。
 多重露光とは1コマの間に2回以上シャッターを着ることです。
○ホワイトバランス
 ホワイトバランスは「太陽光」か「晴天」に設定する

基本的な花火のカメラの設定のまとめ     

○三脚を使ってカメラをしっかり固定
○感度はISO感度50〜100
○ピントはマニュアルフォーカス(MF)で無限大∞
○シャツター速度は2秒〜10秒 
○絞りはF8〜F16
○ホワイトバランスは「晴天」か「太陽光」
○シャッターを押すタイミングは爆発するちっと前