夏の風物詩として、夜空のイベント花火大会、見ていて楽しいのですが誰しも暗闇の空に広がる光の造形である迫力ある花火を写真に収めたいと思う。でも、カメラ任せのオートではうまくいきません。花火の特徴を知り、花火に合わせた設定で撮ることで、見違えるほどきれいな写真が撮れます。今回、片山津湖上花火大会を実例に花火の撮り方を勉強します。
1.準備  三脚とレリーズは必需品
レンズ交換のいらない高倍率が便利
 
    
 

三脚は、つまみを緩めるだけでカメラを自由な方向に向けられる自由雲台が使いやすい。周囲の邪魔にならないように三脚を立て、レリーズを端子に付けて準備する。その際、手ぶれ補正をオフにして誤作動を防ぐ。
                    
   花火はどんどん打ち上がり、プログラムが進んでいきます。撮影していてアッという間に終わってしまいますので限られた時間内に、とにかくたくさんのシャツターを切るのが秘訣です。ですから高倍率ズームなら暗がりでもレンガ交換をしないで済み、広角から望遠まで撮影できて便利です。                        
 
 その他の機材として会場の見取り図やプログラムを確認。リモートスイツチや懐中電灯を忘れずにできれば虫よけもあれば便利。黒い紙を貼ったうちわは、不必要な花火を避けるためにシャッター代わりに使うもの。                                    
                           

2.花火の撮り方 

撮影時間は 以外に少ない
あわてないように、手順を頭に入れておこう
1.場所選び  風向きや打ち上げ位置を確認して、撮影しやすい場所を確保する。 
上げ位置が見下ろせる土手などがベスト。また、明るいうちに打ち上げ位置の確認とフレーミングやピント位置を考えておくこと        
 2.カメラの設定
 1.撮影モード  マニュアル露出(M) 
     2. 絞り     F8〜F16            
  3.シャッター速度  バルブ       
4.ISO感度   ISO100〜200    
5.手ぶれ補正機能   OFF    
 

 
          
         
 ピント合わせはAFで合わせたらMFに切り替える

 ピントは置きピンが基本。まず目安となるのは、花火の発射台のあたり。ただし、離れた場所からかなり絞って撮るのでそれほど厳密でなくてもOK。撮影中にピントがずれるのを防ぐため、いったん
オートフォーカス(AF)でピントを合わせてたらその状態のままマニュアルフォーカス(MF)に切り替えればよい。望遠を使いアップで撮る場合はは、まず目安となる花火にピントを合わせ、次に上がる花火に狙いをつける。フレーミングを変えたら再度ピント合わせをすること。


4、.シャッター のタイミング
シャッター速度で光跡を写すので、光跡の長さを決め、絞り(F値)で全体の明るさを決める。
花火は光跡を写すので、打ち上がって花火が開いたときにシャッターを切っても、タイミングが遅く、きれいな形にならない。ベストなタイミングは、打ち上がる直前にレリーズのボタンを押すこと。打ち上げの間隔を図りながら、うまく予測することです。クライマックスに近づき、連発になる花火や、打ち上がる玉が大きい花火の場合は、やや絞って(F値を大きく)、露出オーバーにならないように調整します。                                      
                             

打ち上げが連続する時間帯で、たくさんの花火を
     1つの画面に入れる方法 
                   

 

バルブ モードを使ってシャッターを切る。

 たくさんの花火を、1枚の写真を入れる方法は、1つだけ入れる場合と撮り方は同じであるが、少しでもシャッター速度を長めにする。つまり、シャッターが開いている間に、画面を複数の花火がよぎればよい。ただし、そんなにタイミングよく花火が打ち上がるとは限らないので意識的にタイミングを計る必要がある。これには
「バルブ」モードを使う。バルブとは、あらかじめシャッター速度を決めずにシャッターボタンを押している間、シャッターが開く機能である。これなら、花火に合わせてタイミングよくシャッター操作ができる。                                            

バルブモードを使っての撮影のコツ

1.タイミングの違う花火も同時に上がったように写せることができる。
複数の花火がうまく一枚に収まると、見ばえのする花火写真ができる。ただし、長時間シャッターが開くので、ぶれないように気をくばろう。                          

2.花火の光跡を見極めてからバルブでシャッターを閉じよう。    
花火をしばらく撮っているとタイミングがつかめてくる。何枚か撮影してみて 写真が明るいようであれば絞りを絞り(F値を大きく)、暗すぎれば絞りを開ける(F値を小さく)。シャッター速度は、花火がきれいに開いておればOK。光跡が途切れてしまうときは、シャッターを遅めに調整する。                                                
 

光跡の長さを整えるときも、バルブモードが便利

上がった花火の広がり方や光跡が消えるタイミングを予想するのが難しいときは、バルブモードならどこまで写しこめるか、どこで切り上げるかを花火を見ながら自分で決めることができる。また、複数の花火やアップの撮影でも有効である。例えば、アップにして光跡の長さを意識して撮りたいときも、バルブモードを使ったほうが便利である。         

 
           
             黒うちわを使って写しこむ花火の数を調整する

 バルブモードでは、シャッターのタイミングを制御して露光時間を自由に決められるが、一度シャッターボタンを押したら後は閉じるだけで開閉することはできない。黒い紙を貼ったうちわでレンズを遮り、花火のタイミングに合わせてシャッターのように使う。余計な光が入らないので露出オーバにならずに写しこむ花火や数を自在に決められる。
レンズの前を黒いうちわで遮り、花火が開くタイミングに合わせてうちわを外して露光する。




クライマックスが近いづいたら露出を微調整をする
連続して花火が打ち上がる時間帯はクライマックスなので、それまでと同じような設定で撮ると露出オーバの写真になる。当日のプログラムを見ながら打ち上げ頻度を予測して、露出を調整をする。                                                 
                                              
 
片山津湖上花火大会周辺マップ

             
花火大会前の噴水

             

花火と一緒に周囲の状況入れると大きさが伝わりバランスもとれる


 
花火をアッフで狙うときは、はみ出すぐらいにフレーミングしてみよう







複数の花火を1枚に収める



光跡を入れるときは縦位置にする。
クライマックスだが同色だとさえない。

   

参考資料「デジタル一眼夜景撮影入門」を一部参照させていただきました