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北陸新幹線金沢開業に合わせて石川県の県都に玉泉院丸公園が誕生したので早速訪ねた。金沢城の玉水院丸公園は、石垣群のパノラマに曲線的な泉水や木橋が加わり石垣の博物館ならではの力強さと優雅さを兼ね添えた日本庭園となっている。県は庭園の再現にあたり、発掘調査で確認された地形と最も近い1850(嘉永3)年の「御城分間絵図」を参考に描かれている。
玉泉院丸庭園は正室・玉泉院が晩年屋敷を構えた場所にある380年前に加賀三代藩主前田利常」による寛永11年(1634)の作庭を始まりとして、その後五代「綱紀」や十三代「斉泰」など歴代の藩主により手を加えながら、廃藩時まで金沢城内玉泉丸に存在していた庭園である。
城外に位置する兼六園は、幕府から派遣された目付役にを招待する場であったのに対し滋養内の玉泉院丸公園は、藩主や家臣らが景色を楽しむプライベートな場であったとされる。
玉泉院丸公園は、起伏ある池の周りを回遊する造りで石垣の最上段から池底までの高低差が22㍍という立体感が特徴。四段ある「
段落ちの滝」
が流れ込む池には半島と三つの島があり木橋や石橋で繋がれた。石垣はデザイン性に富み、本来の防御を目的からはかけはなれた縦長の石や色合いの異なる石を挟むといった風流を感じとれる庭である。石のほとりには全体を一望する休憩所
「玉泉庵」
が整備された。呈茶サービス(有料)のある茶室や観光案内がペースになっている。また、城内に引かれた辰巳用水を水源とする
池泉回遊式
で池底から周囲の石垣上段まで構成要素となっている。他には類を見ない独創的な庭園であったとされる。
○特徴
○色紙短冊積石垣
滝口には黒色の坪野石でV字形の石桶をしつらえ、落水の背後には色紙形(正方形)の石材に 加えて短冊形(縦長形)の戸室石を段違いに配している。城郭の技術と庭園としての意匠とが見 事に融合した金沢城ならではの傑作
とされている。
○段落ちの滝
発掘調査では、斜面を四段で流れ落ちる滝の遺構が確認されており、遺構保護のための盛土 を行い、その上に発掘調査確認された石組みを参考に新たに整備し滝を再現している。
○植栽・景石
庭園内、古絵図を参考に県内産の仕立てマツを主とした植栽にしている。絵図の描写や発掘調 査の検出状況に基づき、各所に県内産の景石を配置している。
石垣群 庭園に面した石垣は、形状や色彩などの外観の意匠に趣向をこらした「見せる石垣」と して造られており、庭園の景色を特徴づける重要な要素となっている。
○池泉
庭園の中心となる地形は、発掘調査や古絵図などをもとに紅葉橋から南側の半島や池、島など の地割りを再現、大小3つの中島は見る場所により遠近感や親水性が変化し見所のひとつ。池 の水源は城内の「いもり堀」(辰巳用水)から用水している。
(玉泉院丸公園ガイドブックより)
金沢城のホームページは
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玉泉庵と休憩所
玉泉庵と併設の茶室入口
玉泉庵の縁側からは、藩主らが見たであろう
庭園のパノラマを同じ角度で望むことができる
玉泉庵より庭園を見ながらボランティアガイドより説明を聞く
玉泉庵休憩所正面から望む
池面に映る木橋
遠方には三十間長屋(重文)も見える
回遊路から玉泉庵を望む
中央には小高い丘の中島が浮かぶ
隙
庭園にそびえる石垣群
隙
発掘調査から再現された高さ7メートルの
段落ち滝
は
辰巳用水を水源とする「いもり堀」から水を引いている
隙
段落ちの滝
アーチ形の
木橋
色紙短冊積石垣の説明を聞く観光客
石垣群には、正方形と長方形の石を組み合わせ、
V字形の石樋が組み込まれた
「色紙短冊積石垣」
回遊路から望む玉泉庵休憩所
玉泉院丸庭園の全景
金沢城ガイドマップ
石川門を抜けると三の丸広場。「金沢城三御門」
のうち左端が復元された橋爪門、右側は河北門
二の丸広場からの出入口の二の門
番所
二の門の内部にある番所で二の門櫓への
出入口になっていて、
畳が敷かれている
橋爪門二の門
二の丸正門として格式の高い門で金沢三御門のひとつ
二の門で城内最大の枡形門
枡形正面が橋爪門二の門、右側が一の門
橋爪門枡形内から見た高麗門の一の門
橋爪橋・橋爪門の一の門・橋爪続櫓
菱櫓・五十間長屋・橋爪続櫓
菱櫓
現在地の戌亥櫓から眺めると3つの御門が見える
戌亥(いぬい)櫓
跡から見た3つの御門
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橋爪門の枡形
お堀に映る橋爪門
鶴丸広場
から見た菱櫓・五十間長屋・橋爪門
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南側から見た橋爪門の枡形土塀
復元された橋爪門
橋爪門続櫓2階から見た枡形。遠方に石川門
復元整備された大名庭園に幻想的に彩るライトアップは、「夕焼けの庭」「宵の庭」「月見の庭」と種類の異なる色に照らされた光の演出を楽しむことができる。また、尺八や筝などの音色に合わせて幻想的な雰囲気に約7分間の演奏に魅了する。
手前からライトアップされた菱櫓・五十間長屋・橋爪続櫓
橋爪続櫓・一の門
二の丸広場からの菱櫓・五十間長屋・橋爪続櫓
石川門(枡形内)
文筆は一部ガイドブックやパンフレットなど
から参照させていただきました
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