私の知人で会社の定年を機に「能面に魅せられて」能面作りに励んでいる様子を紹介をしました。今回は、荒削り、中削り、仕上げ削りの工程を取材し、上塗り、彩色、化粧は次回に致します。
 能面と聞くと無表情で白塗りの女性の顔を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。日本の伝統芸能である能で使われる面は大きく5種類(神・男・女・狂・鬼)に分けられ、その中の女の面が多くの人がイメージする「能面」に近いものです。無表情と思われがちですが、実は面を作る能面師の技が施されていて、見る角度によって表情が変化するといわれています。 四角い檜材から彫刻、塗り、彩色を経て作り出される表情豊かな能面に 手作りの余情を楽しみ、きっと限りない愛着を感じることでしょう。
       
 

小松市にある「もくもく工房」で能面作りに励んでいます。




横と縦の中心線をしっかりと書きます
先ず図面を引く難しさから始まる。
  能面に使われる材料は耐久性、    加工性に優れたヒノキです。   
 



能面作りに必要な
彫刻刀、ノミ、キリ、ヤスリ、
木槌、鋸、鋏、金具等の
道具を準備します





荒彫り
正面側から彫刻刀とノミだけで能面の豊かな表情を削りあげていきます




荒彫りの状態からさらに彫り進めます。
鼻・目・口の位置を紙型及びモデル面からディバイダーで測り決めます。




中彫りから仕上げ彫り行程
能面を作るときは「面(おもて)打ち」を打つといいます。




面を打つ(能面を作る)時には、とてつもない集中力が必要です。




面を作ることは刀を作るのと同様「魂を打ち込む作業」
といわれており、このため「打ち込む=打つ」という言葉を使います。




鼻孔を丸刀ですくい取ります。




ノギスで鼻の寸法を測って確認します。




形を作るまでは型紙を使って随時彫り続けます




形を作るまでの工程をいかにスピーディに行えるかどうかが重要です。


 

現物と写真が合っているかな?

 

   

魂の打ち込まれた面は観る人に語りかけます。面に出会う機会が
あれば、静に面と向かい合って面に語りかけて下さい。


 

表情やその雰囲気を崩さないように、ノミ跡を均しながら仕上げていきます。


 
〇作品の数々を紹介します

大癋見(おうべしみ)
檜材から彫刻、塗り、彩色を経て作り出された能面の完成品です。



童子(どうじ) 

 

武悪(ぶあく)




父の尉(ちちのじょう)


 
真ん中の能面は中喝食(ちゅうかつしき)


 
姥(うば)と小牛尉(こうしじょう)




wyd(q@皺尉(しわじょう)と父の尉(ちちのじょう)



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小松市の松雲堂での展示会


 
松雲堂の展示会場