平和祈念像は、史上最大の惨禍によって瞬時に数多くの同胞市民を失い、筆舌につくし得ない悲惨苦に当面した長崎市民が世界恒久平和の実現を広く世に訴え、この惨禍を再現せしめてはならないという切なる祈願により、シンボルとしてしょうわ30年8月の原爆10周年記念日に建立されたものです。
平和祈念像は国内、海外を問わず拠出された浄財によって彫刻界の権威、北村西望氏製作による全長10mの青銅男神像であり、上方を指した右手は原爆の脅威、水平に伸ばした左手は平けく安らけくと平和のすすめる姿であり、頑丈な体形は絶者の神威を示し、柔和な顔は「神の愛」または「仏の慈悲」を表し、また、軽く閉じた目は戦争犠牲者の冥福を祈っている姿です。また、折り曲った右足は瞑想、すなわち静、立った左足は救済の動、いずれも神仏の特性を表現したものであり、本像はその規模において、その思想において、この類を見ない雄大な芸術作品である。 |