日本アルプスには「北アルプス」「中央アルプス」「南アルプス」という3つの山域がある。今回は、その中央アルプスの盟主にして日本百名山のひとつである「木曽駒ヶ岳」(2956m)の1泊2日の登山に出かけた。 自宅を午前3時30分に出発し北陸高速道路に入る。東海北陸高速道を経由して中央高速道に入り、駒ヶ根ICから3分後に菅の台バスセンターの駐車場に自家用車を駐車し、そして、路線バスに乗り換えて、しらび平まで移動、細い山道をバスが何度もカーブを曲がりながら進み、しらび平駅で下車、緑の香りがあってとても気持ちよく自然の深さが感じられる。平日なのか行列がなく待ち時間がないのでスムーズにロープウェイに乗れた。このロープウェイはしらび平駅の標高1662mにあり、一気に標高2612m、日本一高いロープウェイ駅の「千畳敷駅」に午前10時に着いた。日本有数の山岳ロープウェイである。千畳敷駅の駅舎に出ると、迎えてくれるのが宝剣岳の麓に広がる「千畳敷カール」。カールというのは氷河に削られた地形の跡だそうだ。真っ白な残雪がちらほら見える。青空の中で山々が浮かんでいる美しい別世界である。空気が澄んでいて、涼しく実感できる。さて、駒ヶ岳頂上や宝剣岳登山を目指して、高度の上げ方が急激だと高山病にならないようしばらく散策してから登ることにする。

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   日 程
 1日目 千畳敷駅→剣が池→八丁坂→乗越浄土→中岳→駒ヶ岳頂上→駒ヶ岳山頂山荘(泊)
 2日目 駒ヶ岳山頂山荘→中岳の巻き道→宝剣岳→乗越浄土→剣が池→千畳敷駅


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菅の台駐車場
 
菅の台売センターで路線バスに50分間乗る
 
しらび平駅ロープウェイ乗り場
 
ロープウェイの60人乗り

駒ヶ岳ロープウェイ 7分間乗車
 

千畳敷駅舎とホテル・売店
 
宝剣岳の看板の真後に見えるのが宝剣岳
 
三角の高い山が宝剣岳
 
千畳敷駅舎前から見た山々
 
一年の山の安全を願って建造された駒ヶ岳神社
 

先ず剣が池へに向けて出発
  
千畳敷カール
  
千畳敷カールからの眺めは絶景である
 
剣が池に映る宝剣岳?

八丁坂ら見た剣が池


 剣ケ池から花畑の遊歩道を過ぎて残雪を踏み込み、いよいよ急坂の八丁坂の入口になる。ここからは体力的にも精神的にも気になる。とにかく、絶景の写真を撮りながらマイペースで登ろうと思う。前を登る登山者との間隔調整のため、少し立ち止まて振り返って見ると「これはすごい」とカメラに収める。千畳敷カールがすばらしい。さらに高を目指して登っていく。岩場あり、さらに階段あり登山道はしっかりしているが足元に気をつけて登る。そして、50分ほど立ったでしょうか。稜線の乗越浄土に着いた。ここは広い場所で昼食をとる。
急坂な八丁坂の入口


  

 



  

八丁坂の途中にあるオットセイ岩
 
階段を上がると八丁坂の終点
 
ジグザグの登山道
 
見下ろすと、よくここまで登ってきたものである
 
標柱を示す駒ヶ岳・中岳・宝剣岳
 


  八丁坂を登り切ると乗越浄土に到着。息を切らして八丁坂を登った人々の疲れが一気に吹き飛んでしまうくらいダイナミックな景色が広がっています。宝剣岳(2931m)、中岳(2925m)、天狗岩など夏なると大勢の人が昼食をしながら眺めている。今日は幸い平日で少なかった。
中岳の下にある赤い屋根の天狗荘が見える
 
三ノ沢岳 2846m
 
宝剣岳の横にある天狗岩
 
左が宝剣岳 右が天狗岩
 
中岳(2925m)を越えれば駒ヶ岳
 


  駒ヶ岳山頂の真下に今日、泊まる「駒ヶ岳頂上山荘」に荷物を置いて体ひとつで、いよいよ目的の駒ヶ岳頂上を目指して岩場の段差が続くので慎重に登ります。それにしても天気は素晴らしいし、景色も雄大、おまけに高山植物まで見られるとは、本当に最高の登山日和です。いよいよ30分で駒ヶ岳山頂(2956m)に到着。見渡すかぎり北、南アルプスはパノラマで絶景である。頂上は思ったより広く感じた。
駒ヶ岳山頂へ向かう岩場の登山道
 

 
駒ヶ岳山頂での記念撮影
 
山頂にある駒ヶ岳神社
 
駒ヶ岳山頂の標柱
 

 2日目も快晴、昨夜は山荘の相部屋で埼玉の登山者3人と登山の話で談笑する。山荘の食事のメニューもよかった。山荘の前は指定されたキャンプ場がある。キャンプ場といってもテントを張る指定場所である。早朝5時頃にご来光を見る。今日も快晴で素晴らしい登山日和になった。
 さて、中岳に登る手前で2つのルートの標柱があって2つの分岐点に差しかかる。ひとつは中岳を経由する登り道、もうひとつは中岳に登らずに西側斜面を巻く「巻き道」がある。普通は巻き道の方が楽だが、分岐点に立てられた看板には「危険」と大きく書かれている。確かに、分岐点から見ても登り道より巻き道の方が険しそうだし、ガイドブックの案内図にも点線で危険マーク添えられている。天候が良いので時間短縮のためにも巻き道のルートを選択した。通ってみたが確かに岩場の通過はあるが写真を見たとおり、登山装備をきちんとしていて登山経験者ならば問題はない。もちろん、滑落すればただでは済まない道だが、滑落しそうな場所はそんなに多くはなかった。おそらく「危険」と書いてあるのは、容易に登山未経験者や非装備がここまで来れる山域なのでその警告であろう。

悪天候のときは危険が増すが、天候の良いときに限って使用した方がよいであろう。


宿泊した駒ヶ岳頂上山荘 1泊2食で8500円
 
山荘前からのご来光を見る
 

 
中岳登り口の巻き道の標柱
 
巻き道の入口付近
 

 








見下ろすと渓谷が深いところ
  

木曽御嶽山

富士山

南アルプス連峰



宝剣岳



  中岳・駒ヶ岳と宝剣岳の分岐にかかると、山荘に荷物を一時預かりにして、見るからに険しい雰囲気の宝剣岳山頂を目指します。宝剣岳山頂付近はかなり険しい岩場ですが、岩場自体はしっかりしていて、鎖やロープも随所に設置されている。落ち着いてゆっくり通過すれば大丈夫ですが、混み合っていると危険な箇所は下ってくる登山者とすれ違うときは、声を掛け合うとか譲り合いながら進むことに気を遣います。そして、山頂に無事に到着。私の目に飛び込んできたのはまるで宙に浮いている世界の景色であり、その圧倒的な高度感に思わず息を呑みました。大きな岩が積み重なっていて、迫力ある場所であった。










 
宝剣岳頂上での記念撮影

 



 チングルマ

 シナノキンバイ

 イワツメクサ

 
クロユリ

 コマクサ 

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