華麗な王朝文化が花開いた今日の都。しかし、平安時代末期、清盛の父、、忠盛の時代には朝廷内の対立や武士たちの台頭が激しい抗争を呼ぶ政治の舞台となっていた。六波羅はその中心人物となっていく清盛が館を構えたところ。清盛が太政大臣になるころには、重盛をはじめ平家一門が高位高官に就き、藤原氏から政権を完全に奪うことになる。この地に一門が多く住んでいたので六波羅政権とも呼ばれた。
今日、平家在りし日の面影を残しているのが六波羅蜜寺。天暦5年(951年)に創建されたこの寺には、開祖であるなど栄華を極めたころの平清盛座像が安置されており、国の重要文化財に指定されている。寺から一歩外に出れば閉静な通りや住宅街が広がる。その昔、本当にここが平家の軍勢が闊歩したのか・・・そう思わせるほど、のどかな庶民的な雰囲気がいつでもここには漂わせている。
昨年12月、NHK大河ドラマ「平清盛」で主人公・清盛を演じる松山ケンイチが、京都・六波羅蜜寺を訪れている。寺に安置されている清盛座像や境内の供養塔と対面を果たした松山は、現地で「まず、ここに足を踏み入れた瞬間、清盛がいかに人々から大事にされていたかが分かりました。そして、清盛は悪役として描かれることが多いのですが、本当はそうじゃないんだということを僕たちがきっちり証明していかなければと言う思いを強くした」とコメントしている。 |